2009年8月7日金曜日

江刺研究室 最強の秘密

課題図書であった「東北大学・江刺研究室 最強の秘密」を今回の出張で読み切った。

【検証】東北大学・江刺研究室 最強の秘密 (理科少年シリーズ)
江刺 正喜 本間 孝治 出川 通
彩流社
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本書は4章構成であり、江刺教授を含めた3人の対談形式で進む。対談相手は、「メムス・コア」の社長と「テクノ・インテグレーション」の社長であり、2人とも東北大学との関係が深い。

目次は以下のようになっている。
<1章>江刺正喜教授の「理科少年」時代
<2章>江刺研究室の「強さ」
<3章>近代技術史と先端技術MEMS
<4章>MEMSビジネス

1, 2章が「江刺研 最強の秘密」の検証になっている。これらの章で、江刺教授の少年時代からMEMS研究に至るまでの経歴、また江刺研のマネジメント方法について説明される。江刺研究室の成り立ちについて説明され、一番興味深い章だった。

3, 4章は、技術とビジネスの話であり、ほとんど江刺研の話は出てこない。3章では、昔の技術がMEMSに利用される点を解説しており、技術寄りの内容。4章では、MEMSビジネスについての議論が行われ、今後のビジネスの方向を探っている。

結局、研究室の強さは、東北大の設備をオープンにして色々な人に使ってもらうところにある。企業の人にも自由に装置を使ってもらい、情報を江刺研究室に集約化して蓄積する。情報が集まった方が、MEMSの開発が進みやすいことは間違いない。

江刺研は、日本の大学で、もっとも設備のオープン化が進んだ研究室の一つだろう。そういう意味では、最強と言っても過言ではない。他の日本の大学は、色々なしがらみで、江刺研の真似ができないのである。

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