2010年1月14日木曜日

微分積分が計算できる小学3年生は、イノベーターになれるか?

研究室の後輩は塾の教師をやっていて、そのとき微分積分が計算できる小学3年生に出会ったらしい。後輩は、その小学生の話を、研究室のフランス人Jさんに話していた。Jさんはその能力に最初驚いたが、次に問題をつくる能力やクリエイティビティはどうなのか?という疑問に移った。

Jさんが語ったことを国別にまとめると、
  • 日本の教育システムでは、問題を解くことに重きが置かれていて、問いを立てることは軽視されている。
  • 教育システムのために、日本は新しいことが産まれにくい国。製品は凄いけど、本当に新しいものは少ない。
  • その中で、創造性を発揮できる人になれるのか?
  • フランスでは、答えよりも、問いの立て方が重要。
  • 8, 9歳から構造がしっかりした文章(感想文みたいなものではない)を書く訓練を積む。
  • だから独自性のあるものを創りやすい。また教養があるから、研究者でも、哲学の本を出せたりする。
という話になった。

結論として、その少年が破壊的イノベーションができる人になるのは難しい。日本的教育を受けると、自分で問いを立てる力が養われず、今現在ある問題を改善する人になってしまう。問題解決の才能があっても、イノベーターとしての才能は、磨かれずに終わってしまう可能性が大きい。これは国の文化の違いだ。

2 コメント:

しろねこ さんのコメント...

今回の記事はわかり易く、また、興味を引く内容でした。
仏国では、小学校の低学年のうちからしっかりとした文章教育がなされていて、うらやましい限りです。
研究者でも哲学の本が出せるなんて小さいころからの訓練のなせる業ですね。
日本も見習うべきです。

Moemoe さんのコメント...

違う国の事情を知られると、面白く、また参考になります。日本にいて、日本のことしか知らないと、なかなか質を変えることには思い至りません。多くの日本の教育論議は、学習内容ではなくて、学習量(学力が高い低い)の話になってしまうのが悲しいですね。

 
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